【書評】人間失格

人間失格とは?

『人間失格』を知らない人なんて日本に存在するのか疑問ですが一応説明しますね。

『人間失格』は太宰治によって書かれた小説です。「恥の多い生涯を送ってきました。」という冒頭部分はご存じなのではないでしょうか。

太宰治の生い立ちを非常に意識したことが感じられるので「自伝的小説」なんてよく言われます。太宰が生前に書いたもので完結した最後の作品なので「遺書」なんかの例えもありますね。

人間失格のあらすじ

人間失格は「はしがき」「第一の手記」「第二の手記」「第三の手記」「あとがき」から構成されています。

はしがき

「はしがき」では物語の主人公、葉蔵の顔写真の不気味さを第三者の「私」が語ります。3つの顔写真が出てきますが、それぞれ3つの手記の葉蔵に対応しています。

第一の手記

「第一の手記」では幼少期の葉蔵について描かれています。

葉蔵は人の心がわからず「お道化」、つまりピエロのように周りの人を怒らせないかどうかばかり気にしていました。

そのため女中たちに性的暴行を受けても何も言えず、早く性に目覚めていきました。

第二の手記

「第二の手記」では学生時代の葉蔵のありさまが描かれます。

堀木という男に酒・女・タバコなんかを教えられ当然のように破滅の道をたどっていきます。

女と一緒に心中を図りますが、結局女だけが亡くなり葉蔵だけが生き残ってしまいます。

第三の手記

「第三の手記」は心中失敗後の葉蔵について描かれます。

心中に失敗した葉蔵は色々な人に見捨てられますが、ラストチャンスとして実家の支援を受けたヒラメの家に引き取られます。

その後、色んな女の世話になりますがうまくいきません。薬物に溺れていきます。

結局、精神病院に強制入院させられることになります。

あとがき

「あとがき」では第三者の「私」が葉蔵を良く知るバーのマダムの話を聞きます。しかし、そのバーのマダムの葉蔵の評価は、葉蔵が自身に下した「人間失格」の評価とは真逆でした。

感想

人間失格を読んで皆さんはどのような印象を受けたでしょうか?

道化をした気持ちがわかる。とか、まったく共感できない、廃人になって当然だ。とか色々あると思います。

僕が最初に読んで思ったのは、

「太宰は本当に葉蔵を人間失格だと思っているのだろうか。葉蔵こそが人間らしさの塊じゃないか!」

っていうことです。ちょっと僕いかれてますかね?(笑)

でも考えてみてください。

みんな周りの人の気持なんかわかってますか?傷つけまいと本音が言えないのではないですか?

そして人は酒や女といった欲望に溺れていきます。ひどい人は薬物にまで。

でもそれって、その人が悪いんでしょうか?それこそが人間の本質なのでは、って思ってしまうわけです。

それは個人の意見だろ!って思うかもしれません。確かにそうです。

けど『人間失格』も「あとがき」で葉蔵はいい子だったって話になってますよね?

確かに葉蔵は廃人になり、自分のことを「人間失格」だと思った。けれどマダムは葉蔵をいい子だという。

ここには太宰の皮肉が込められている気がするんです。

「あなたは廃人ではないかもしれない。自分のことを人間として『合格』だと思ってるかもしれない。でも周りのの人はあなたのことを素晴らしい人間だと思っていないかもしれませんよ

って。

まとめ

人間失格は決して読みやすい本ではないです。

しかし人を魅了するものがあります。考えさせられるものがあります。

読んでない人はぜひ読んでみてください!