【書評】星の王子さま

星の王子さまとは?

星の王子さまはフランスの作家、サン=テグジュペリによって書かれた小説です。

基本的には児童向けの小説で、フランスの本屋でも自動本のコーナーに絵本としておいてあります。しかし、大人にも突き刺さる内容となっています。

超有名な小説なんで名前だけなら誰でも知ってますよね!今回は、その内容と感想について書いていきたいと思います!

あらすじ

星の王子さまは、主人公と小さな星の王子さまを中心に展開されていきます。

王子さまは自分が暮らしていた星を出発し旅をします。王子さまが訪れた星にはどれも、一風変わった住人が住んでいました。

その語地球にやってきた王子さまは今まで知らなかった様々な事実を知ることになります。同時に自分の星に残してきてしまったバラへの思いも強まります。

しかし地球は元居た星からはあまりに遠いのです。

悲しみに暮れた王子さまはある日、主人公に別れを告げます。

感想と解釈

感想

この本を読み進めていくうちに正直、これは本当に子どもに読ませる本なのだろうかと驚きました。

あまりにも世の中を風刺しているんです。

例えば、それぞれの星にいる住人の話。まるでこの世のすべての大人を批判しているかのような語り口です。実際そうなのかもしれないですが。

そして自分の星に残してきたバラの話。

大切なものの存在に気付かせられる...正直そんな物語は腐るほどあります。この小説の素晴らしいところは、王子さまがバラは実はいくらでもあるということに気づいてしまうこと。それでも自分が残してきたバラは、やはり自分にとって特別なものなのだと知ってしまうこと。

僕が書き表せない素晴らしさが、この本にはあります。一つ一つの話が突き刺さるのです。

この話は決してグッドエンドとは言えません。とても切ない終わり方をします。もしかしたら子供は蛇にかまれて星に帰るなんて、ちゃんと意味が分からないかもしれません。

しかしその終わり方が他の児童本と一線を画すことを可能にしています。

まさに名作

そう感じました。

解釈

星の王子さまはすでに色々な解釈がなされています。ここではその解釈を自分の解釈と交えながら説明していきたいと思います。

それぞれの解釈にに入る前に一つ、知っておいてほしいことがあります。それはこの作品が1943年、つまり第二次世界大戦の真っただ中に書かれたということ。

更に冒頭でヴェルトに宛てると書いてある、そのヴェルトとはユダヤ人であったこと。

このことを踏まえ、一緒に考察してみてください。

ゾウを飲み込むボア

正直、ここは文脈通りに読んでもいいかもしれません。

でもこの後にもゾウが出てくるので強引に解釈してみたいと思います。

まずボア。これをナチスのような巨悪と考えてみます。

次にゾウ。これを巨大な国家と考えてみます。ちょっと強引だと思うかもしれませんが、その理由は後で補足します。

そしたらナチスが他の国家を徐々に蝕んでいる、そう見えませんか。

しかし大人はそのことに気づかない。ただの帽子だと考える。

更に中身のゾウを描いてあげても関心を示さず勉強をしろ、という。

これってまるで、ナチスが侵略を始めているのに気づかない、実際にはっきり侵略がわかってきても自分たちの都合ばかり考え問題をちゃんと見つめようとしない、戦争前の状態に例えられませんか?

バオバブと羊とゾウ

バオバブの木によって住めなくなった星がある。バオバブはそういう危ない木でだから大きくなる前に摘まなければならない。そんなことが書いてあります。

ここで星をダメにしたバオバブのイラストを見てみてください。三本ですね。これってちょうど、日本・ドイツ・イタリアの3国って考えられませんか?

王子さまが羊で十分だと言っているのに、主人公がゾウが何匹あっても足りないと言っているのも面白いです。

ここでゾウをやはり、ナチスらに反抗する国々としてみてください。

バオバブ=日独伊の3国はあまりに大きくなってしまったので、他の国がどれほど集まってももう止めることはできない。大きくなる前だったら、たった一匹の羊のような小さな存在でも止められたのに...。

そんな嘆きがこのバオバブと羊とゾウにはこめられていそうです。

6つの星の住人と星の王子さま

6つの星の住人は大人の在り方を批判しているように思えます。

まず王様。権威に執着し続けるが従う者はいない。勝手に王様と名乗って偉そうにしてるだけ。もしかしたら何もしない、根拠もないのに家柄が高貴なものだから偉そうにしている人々を批判してるのかもしれませんね。フランス革命の国らしい批判です。

次にうぬぼれや。自己中心的で自分のことしか考えてない。嫌なことは耳に入らない。そんな自分勝手な人々を批判しているようですね。

3つ目が酒におぼれる男。もうこれは言うまでもないですね。酒におぼれる人々を批判しています。酒の失敗を忘れるために酒を飲み、失敗を重ねる。そんな愚かな人々を示しています。

4つ目が実業家。ホントは誰の星でもないのに、勝手に自分の星だと主張する。何の意味もなく、そして勝手なやり方でただお金を稼ぐ、そんな大人たちを批判していますね。更にいえば、勝手なやり方ってだけじゃなく中身もないですね。ちなみにwikipediaによると実業家が述べた数は第二次世界大戦を起こした国の国民の数と同じらしいです。

5つ目が点灯夫の星。とくに悪いことをしているわけではない。でも無駄な仕事を繰り返し、大切なことを見失っているように見える、そんな大人を批判してますね。

6つ目が地理学者。頭はいいが、自分では何もしない。何のために知恵をつけているのかもわからない、そんな大人たちを批判していますね。

すべて軽い解釈になってしまいました。今回は批判の対象を大人としましたが、大人を国を置き換えて解釈してみるのも面白いかもしれません。

また6つの星だけがよく取り上げられるのですが、僕は星の王子さまも星の住民として批判の対象にあるんじゃないかなって思っています。

それは、人の批判ばかりするが自分自身も大切なことなど何かわかっていない人。

深読みしすぎかもしれませんけどね。

王子さまとバラ

王子さまが愛したバラは一体何なのでしょうか。バラと言えば愛、恋人だと考えた人も多いでしょう。

実際のところ何を指しているのかはわかりません。ここで僕の考えを載せるのはやめてみます。

しかし少し興味深い事実をいくつかお伝えします。

まずサン=テグジュペリはフランスから亡命し、この小説を亡命先のアメリカで書いていたということ。そしてその後フランスにもどった彼は、1944年に偵察飛行の最中に行方不明という形で生涯を終えたということ。

まとめ

今回は『星の王子さま』について書きました。

解釈については色んな人が思い思いに解釈していますが、きっと作者が伝えたかったことすべてを理解している人はいないと思います。

しかしその勝手な解釈が面白いのです。皆さんもぜひ『星の王子さま』を自分なりに楽しんでみてください!